地域医療貢献としての当院の獣医療サービス
無麻酔CT検査
(1)無麻酔CT検査の意義
・現在、2次病院/専門病院への紹介目的の多くにCT検査が含まれますが、横浜や東京への紹介は、距離的なハードルが高くなります。また、全身麻酔+造影検査は費用が高額となるのもネックです。
・当院では、「無麻酔」あるいは「軽度から中程度の鎮静」により動物への負担を最小限にした、「意識のある状態でのCT検査」のノウハウがあります。この方法の最大のメリットは、動物への負担が軽いことで、麻酔リスクが高くても検査が可能となります(もちろん例外はあります)。
・もちろん、造影CT画像に比べると画質と診断精度は落ちてしまいますが、単純CT検査だけでもかなりの情報が得られるので、メリットは大きいと考えています。
(2)検査の流れ
・まずは当院までお電話か、直接来院にて無麻酔CT検査希望とお伝えください。
・獣医師と相談の上、無麻酔CT検査の日程を調整します。
・CT検査では大量の画像の読影が必要なので、結果のご説明まで3〜7日ほどお時間をいただいております。
・結果をかかりつけ医にお伝えいただき、今後の治療についてご相談ください。
(3)注意点
・意識レベルのある状態での検査となります。体動が激しいとアーチファクトが発生し、読影が難しい画像になってしまいます(特に頭部周囲は体動の影響を受けてしまいます)。そのため、鎮静しても激しく動いてしまう場合には、検査が中止になることがあります。ご了承ください。
・無麻酔CT検査はこれまでの検査の補完であり、確定診断をお約束するものではありません。無麻酔CT検査の結果、やはり造影検査が望ましいという判断が出ることもありますので、ご了承ください。
・検査後は、必ずかかりつけ医の先生のところに戻って、今後の治療についてご相談ください。
麻酔リスク診断
(1)麻酔リスク診断
・皆様は、家族の手術を提案されたときに、先生が聴診器だけ当てて、「うん、麻酔は大丈夫じゃない?」と言われた経験はおありでしょうか? その先生は何を見て(聞いて)、大丈夫と判断しているのでしょうか? ヒトではまずしない安易な判断が、動物医療においては意外と今でもまかり通っています。怖いですよね。フォローすると、他院の先生も別に雑に考えているわけではないのですが、どうしても麻酔の先の手術の方に意識が向きがちのため、意外と麻酔リスクってちゃんと評価されなかったり、説明がふっとんじゃうケースが多いのではないかと予測しています。。。
・当院では、そんなかかりつけ医の病院での麻酔の判断に不安を抱いた方へ、実際どの程度の麻酔リスクがあるのかを評価するサービスを開始しました。これから予定されている手術で、麻酔リスクがどのぐらいあるのかを理解して、かかりつけ医の先生での治療を安心して受けられるためのサービスです(代わりに麻酔・手術を行ったり、麻酔の可否を決定するものではありません!)。動物麻酔基礎技能認定医を持つ獣医師が丁寧に評価させていただきます。
 
(2)検査の流れ
・まずは当院までお電話か、直接来院にて麻酔リスク診断希望とお伝えください。
・獣医師と相談の上、診察・検査の日程を調整します。
・多くの場合、血液検査、心エコー検査、腹部エコー検査、X線検査、心電図がメインとなりますが、状況により無麻酔CT検査を追加することもあります。また、他院さんで最近行った検査結果をお持ちいただければ、検査を省くこともできます。
・検査結果は通常外来中または数日お待ちいただいて検査結果が揃ってからお伝えします。この結果をかかりつけ医にお伝えいただき、今後の治療についてご相談ください。
 
(3)注意点
・あくまでも麻酔リスク診断であり、麻酔の可否を決定するものではありません。また他院の先生の治療方針や、麻酔評価を覆すことはしません。飼い主様がリスクを理解、納得した上で麻酔・手術に望んでいただくためのツールです。
・麻酔プロトコルの作成や推奨はしません(病院によって設備もスタッフ等の準備も違うので、かえって事故の原因となってしまう可能性があるため)。
・動物の状況・体調によっては検査が中止になることがあります。
・検査後は、必ずかかりつけ医の先生のところに戻って、今後の治療についてご相談ください。
イボ・できもの外来
(1)イボ・できもの外来とは?
・動物は比較的体表にイボやできものができやすい傾向があります。一般的には、細胞診→全身麻酔→切除→病理検査で治療していきますが、これらは動物の負担も大きく、また高価になりがちです。高齢であったり、心臓病があるために全身麻酔のリスクが高いと判断されて治療を諦めるケースもあります。
・当院では、良性と診断された/良性を疑う体表腫瘤に対して、局所麻酔と半導体レーザー/ラジオ波メスを利用した、イボ・できもの外来があります。これは、全身麻酔を使わず、局所麻酔を利用することで、イボ・できものを効率よく蒸散/切除する、動物の負担の軽い治療法です。
・ラジオ波メスは、焦げの少ない処置が特徴です。一般的な電気メスで起こる対極板の接触不良によるやけどのリスクがないため、覚醒した犬猫で用いることができ、また、対極板との接触のために濡らす必要もありません。ヒトではよく用いられる機械ですが、動物でイボ・できもの外来に用いているのは当院だけの
・半導体レーザーは、できものが大きくても処置が可能で、蒸散だけでなく、温熱療法や色素を利用して特定の部位だけに処置するなど、幅広い治療が可能です。
 
(2)治療の流れ
・まずはお電話、ペットパス、直接来院のいずれかで受付をお願いします。その際にイボ・できもの外来希望とお伝えください。
・獣医師による診察の上、レーザー・ラジオ波メス治療の日程を調整します。
・局所麻酔を塗布または注射後、しばらく待機してから治療を行います。このとき、動物は覚醒しており、軽い保定で処置を行います。処置時間は概ね1箇所5-10分程度です。
・治療後、1週間後再診を行います。
 
(3)注意点
・体表の良性腫瘍が対象となります。悪性腫瘍(いわゆるがん)に対しては、3大治療である外科療法、放射線療法、化学療法を優先する必要があります。
・事前に細胞診で良性腫瘍であることを確認しておくと工程が1つ減るので早く処置ができます。局所麻酔を施す前に麻酔リスク診断として各種検査を行うことがあります。
・動物の状況・体調によっては治療ができないことがあります(緊張性失神やショックを起こしやすい動物等)。
 
 
 
                  
 
                  
 
                  
 
                  
 
                  
 
                 