半導体レーザーの優れた可能性を獣医療で発揮します

当院では、開業以来、半導体レーザーとともに歩んできました
代診時代に半導体レーザーと出会い、その魅力に取りつかれました。外科デバイスと言えば、今も昔も電気メスが主流ですが、現在ほど洗練されておらず、高性能電気メスは価格もなかなかです。そして、手術室でしか使えない。。一方、半導体レーザーは手術室でも診察室でも、これ1台で多様な使い方ができます。
開業当初は師匠の病院のレーザーをお借りしていましたが、数年後にやっと現在のモデルを購入し、それから10年ほど使ってきていますが、当院の「できるだけ外来で治療を完結する」考え方にぴったりはまってくれています。
このページでは、そんな半導体レーザーの魅力をたっぷりお伝えします。
- 810nm波長のもたらすバランスの良い治療範囲(消炎、殺菌、疼痛緩和、蒸散、創傷治癒促進)
- 診察室ではイボ取りから椎間板ヘルニアの治療まで幅広く使っています。
- 手術ではミドルエンド級の電気メスと遜色ない切開、止血性能を発揮します。
- 腫瘍の第4の治療選択肢として、手術が難しい腫瘍の緩和ケア(腫瘍の縮小/増大抑止目的や、疼痛緩和として)にも役立っています。
半導体レーザーの利用用途は手術だけではありません。
★電気メスに代わるエネルギーデバイスとして
・半導体レーザーは先端から出るエネルギーをメタルプローブに集中させることで、一瞬で数100℃に達する熱を発生します。手術では、この高温を用いて、止血しながら組織を切開していくことができます。
・ピンセット型あるいはシーリングハンドピースを用いることで、数mmの血管を結紮なしでシーリングも可能です。
★半導体レーザーを用いた新しい腫瘍(がん)の治療
半導体レーザーがもたらす光波長(810nm)や熱エネルギー(42℃〜45℃)を利用して,がんを死滅/制御させるという方法です。がんの3大治療法である外科治療,抗がん剤治療,放射線治療の次にくる治療法の1つとして,近年注目されています。当院はレーザー治療について治療頭数が多く、様々な腫瘍に用いています。 特に高齢な犬猫で、全身麻酔を避けたい場合に、無麻酔あるいは局所麻酔でも処置が可能な場合もありますので、まずはご相談下さい。
*当院では富士エスエルアイBERGを使用しています。
- 凝固・蒸散法/アブレーション法:体表・口腔内の腫瘍などが対象。
- ハイパーサーミア:腫瘍を42-45℃に温めることで腫瘍を縮小させます。
- マイルドレーザーハイパーサーミア(MLHT):40-42℃の範囲を用います。肺などの内臓腫瘍にも用いる事ができます。
- 光線温熱療法(PHT):色素(ICG)や抗がん剤+温熱療法で腫瘍に対する有効性向上を目的にします。

止血・切開装置としての使用

シーリングデバイスとしての使用

温熱療法(消炎・鎮痛)
椎間板ヘルニアや前十字靭帯断裂、歯周病による炎症や痛みの緩和が可能です。

歯周病治療(殺菌、消炎、鎮痛、止血)
全身麻酔下口腔衛生処置において、歯周ポケット内に適用することで、歯肉が引き締まりやすくなります

創傷治癒
手のひらサイズの皮膚欠損もレーザーを使うことで早く治りやすくなります。